2024年7月~毎月2回コラムを掲載します。コラム名称は「十思一文」

20240715 ジェンダーの平等を実現するには①

ジェンダーの平等を完全に実現した国は、未だ一つもないと言われています。そもそも何をもって「平等」とするのか、一つの指標としては、世界経済フォーラムが毎年発表する「ジェンダー・ギャップ指数」というものがあります。

この指標によれば、2024年に世界1位とされるアイスランドで0.935(1が完全平等を示す指数)、日本は0.663で世界146カ国中の118位、最下位の国の指数が0.568となっています。

2023年に比較して、日本は順位を7つ上げましたが、ハッキリ言えることは、指数の改善に必ずしも積極的ではなく、男尊女卑を容認する社会構造を黙認する国の姿勢こそが問題です。

20240731 ジェンダーの平等を実現するには②

日本のジェンダー・ギャップ指数は、2006年にスタートした時点で0.645。18年間でほぼ横ばいの状態ながら、世界の国々は指数改善に取り組んでおり、世界との比較では順位を下げてきました。特に不平等と評価されている分野が、政治と経済の分野です。

そして、政治と経済のどこが不平等かを考える前に、日本社会における性別役割の固定的な観念に基づく制度や仕組みが今も根強くあって、そのことが社会全体の意識にも影響を与えている状況を理解しておく必要があります。

家長主義に根ざす戸籍制度、専業主婦を前提する年金制度のほか、当たり前に見過ごされてきた制度や仕組みの中にジェンダー・ギャップを容認するような部分が潜んでおり、そのことにメスを入れていかなければ、単なる数字の改善では意味がありません。

20240815 ジェンダーの平等を実現するには③

戸籍制度に関連して、少し脱線しますがマイナンバーカードについて、触れてみたいと思います。マイナンバーカードの登場で、住民票や印鑑登録証などコンビニでも簡単に入手できるようになりました。(そもそも、住民票や印鑑登録証などというものが、証明として必要としている社会の仕組みにも課題はありますが。)

また、確定申告でも利便性を感じますが、所詮はこれまでの紙ベースの手続がペーパーレスとなり、オンライン化された「部分」があるだけのこと。マイナンバーカードの更新手続や異動による転入手続で、紙の申請で役所の人が入力し直す光景は、早晩システム全体の改修を余儀なくされるでしょう。

20240831 ジェンダーの平等を実現するには④

日本のジェンダー・ギャップ指数の改善にとって、その中でも政治分野の落ち込みは喫緊の課題です。女性の政治分野への参加や女性閣僚の少なさ、女性総理が未だ誕生していないことが指数評価に繋がっています。

現状、議員の世襲を許容するのであれば、フランスのバリテ法のように、強制的な男女比率を政治の世界に思い切って取り入れてみるのも、良いように思います。また、閣僚の半数までは民間からの登用が許されるのであれば、多くの有能な民間女性を登用することも考えるべきでしょう。

日本の政治分野の現状では、思い切った方向転換をするチャンスでもあります。来月には次の総理を目指す総裁選もありますが、若く見栄えだけの薄っぺら人を選ぶよりは、現に外交手腕を発揮している女性となることを、期待しています。

 

20240915 お詫び

ジェンダーの平等を実現する・・・やるべきことは山積みですが・・・

現在、業務の委託を受けている企業から、企業の中に入って経営改革を実現するよう期待されており、RM VISIONの事業と共に本コラム欄も一旦休止させていただきます。やるべきことの中には、日本の司法・立法・行政の三権に対する評価と要望は多々あり、個人的な主張とはいえ、企業への影響を考慮したものです。悪しからず、ご了承願います。